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モデレータースケソウダラの養殖は日本で試みられ、その後完全養殖は2015年に韓国で成功しています。しかし採算面から実用化は断念されています。内水面養殖も実際は可能ですが、海水の調達、温度制御などさらにコストがかかるので実用化される可能性は0だと考えます。厳密にスケソウダラと同じ成分や特性を持つ魚類は存在しません。すり身用にナマズやテラピアなど内水面養殖を行なっている国はあります。
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モデレーター魚肉由来たんぱく質、デンプン、卵白、その他の素材の混合比率、トランスグルタミナーぜによる架橋の形成、結合水の存在、加熱条件などによっても消化性は異なります。また単に、弾力や硬さのみで消化性を評価できるわけではありません。
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モデレーターかまぼこについては、加熱条件によって消化性が異なり、「坐り」が強く起こり弾力の強いかまぼこは消化性が低くなることが報告されていますが、品質の高さや価格とは直接的な関係はないものと思われます。
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モデレーター量に合わせて消化効率が高いこと、さらにかまぼこ化によって脂肪を除去でき低カロリー素材を作ることが可能なことが挙げられます。
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モデレーター魚食離れが目立っている現在、たんぱく質源としてさまざまな素材から摂取してきた過去を省みる必要があります。実際、免疫維持には多様なたんぱく質を摂取する優位性がわかっていますし、トロなどの一部を除き、ほとんどの魚肉や練り物は畜産物より低カロリーなので、この辺りを若者にアピールするのが良いと思います。
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モデレーター当日の講演では時間的な制限から詳しいご説明はできませんでしたが、アミノ酸消化率の算出はかなり煩雑となりますので、FAOの報告書(2007)ではヒトの回腸消化率測定のモデルとして、実際には成長期ブタの回腸消化率や、成長期ラットの回腸消化率を用いることも可能とされています。また、アミノ酸ごとの消化率が得られない場合は粗タンパク質の回腸消化率、また回腸消化率が無理な場合は真の糞便粗タンパク質消化率を用いても良いとされています。さらに、近年では、ヒトの消化液を模した、酵素反応を用いたモデル系も提案されていますが、これについては今後さらなる検討が必要となると考えられます。
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モデレーター必須アミノ酸の充足がなされていれば、素材の相違による美容効果の差異はないと思います。魚肉の場合、マグロや鮭のトロなどを除き、多くの魚類、練製品で低脂肪高たんぱく質です。この辺りがアピールポイントになると思います。
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モデレーター魚肉は加熱によってタンパク質が変性して構造が変化し、消化酵素がより効果的に働くことになります。変性したタンパク質は消化酵素により容易に分解され、栄養素が体に吸収されやすくなります。尚、生の魚肉の結合組織に含まれるコラーゲンが加熱によりゼラチン化することにより肉が柔らかくなり、消化しやすくなります。
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モデレーター魚肉タンパク質および筋組織の柔軟性が消化されやすさの一因であると考えられ、
そのことについてまとめた総説の抜粋をお魚トピックスに掲載しております。
(ログイン後にご覧ください)一般的に魚肉タンパク質の構造安定性は哺乳類のものと比べて低いと言われており、
その脆弱な構造によって消化酵素の分解を受けやすいと考えられています。fishpro
モデレーターどのようなタンパク質が優れているか、好まれるかというのは、摂取する目的によって異なってくると思われます。
たんぱく質の消化性が優れている、つまり加水分解されやすいと、アミノ酸として吸収されやすくなりますので、たんぱく質効率を期待する場合(タンパク質摂取が不足している場合など)には、アミノ酸スコアが高く、消化性も高く、タンパク含有量の高い食品が求められると考えられます。fishpro
モデレーター確かにかまぼこなどの練り製品は肉類など他の食品よりもタンパク質の消化スピードが速く、脂質含有量も少ないため、腹持ちが悪くなる印象を受ける人もいると思います。一般的に消化のスピードは糖、タンパク質、脂質の順で速いとされており、脂質が多い畜肉よりは魚肉タンパク質が主体の食品の方が素早く栄養成分が分解され、胃や腸などの消化器官に残存しなくなると考えられます。そういう物質的な意味では、かまぼこの「腹持ち」は悪いと考えられます。練り製品の中でも揚げや蒸し、ゆでなどの加熱方法の違いや、調味料の違い、弾力の強さの違いでも消化されやすさは変わります。「腹持ち」が悪いイコール消化器官への負担が少なく、効率的に栄養が使われる、とポジティブにとらえて、他の「腹持ち」の良い食品とうまく組み合わせて食事を楽しむことが一つの考え方だと思います。
しかし、実際に人間が感じる「満腹感」や食欲は中枢神経への刺激により複雑にコントロールされていますので少し解説します。よく知られているのが食欲刺激ホルモンと言われるグレリンや、満腹刺激ホルモンと言われるレプチンやペプチドYY(PYY)という物質で、体内でのグレリンの分泌量が多いほど空腹と感じ、逆にレプチンなどの分泌量が多いほど満腹と感じるため、これらホルモンのバランスによって「満腹感」が左右されます(参考資料1)。これらのホルモン分泌は食事中の栄養成分との関わりも深く、例えば、朝食を高タンパク質食にすると食欲刺激ホルモンの分泌が減り、満腹刺激ホルモンの分泌が増えて「満腹感」が継続しやすく、間食が減るという研究結果があります(参考資料2,3)。タンパク質の摂取が食欲を抑える、というエビデンスも増えてきており(参考資料4,5)、まだ魚肉タンパク質に関する研究は少ないですが、ダイエットの観点から考えてみることも面白いのではないでしょうか。ちなみに、睡眠不足が続くとグレリンの分泌が増え、レプチンの分泌が減り、体重増加につながることも分かっています(参考資料6)。しっかりとタンパク質を摂取して、規則正しい生活をおくることが健康維持には大切だと言えるのではないでしょうか。
〈参考資料〉
1)高橋医院HP.食事と健康.
2) タンパク質を多く含む(1日35グラム)朝食を食べることで一日を通して食欲を抑え間食を減らすことが出来る.
3) Heather L. et al. Beneficial effects of a higher-protein breakfast on the appetitive, hormonal, and neural signals controlling energy intake regulation in overweight/obese, “breakfast-skipping,” late-adolescent girls. The American Journal of Clinical Nutrition, 97. 4 (2013): 677–688.
4)リハビリmemo.ダイエットで食欲を抑えたいならタンパク質を摂取しよう!.
5)Kohanmoo, A. et al. Effect of short- and long-term protein consumption on appetite and appetite-regulating gastrointestinal hormones, a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Physiology & Behavior, 226 (2020): 113123.6)re:sumica HP. 太りやすい人は要注意! 睡眠不足が食欲を刺激する.
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モデレーター赤身魚は弾力が必要とされる板かまぼこの原料にはあまり向いていませんが、うま味が強く、風味も良いため、揚げかまぼこなどの原料に向いています。
かまぼこの弾力は筋肉タンパク質であるミオシンがトランスグルタミナーゼという酵素により重合し、網目構造が形成されることで生まれます。赤身魚にはこのトランスグルタミナーゼの働きを弱くするアンセリンやカルノシンといったいわゆるイミダゾールペプチドが豊富に含まれているため、うまく弾力を作り出すことが出来ないのです(参考資料1)。これらのジペプチドは渡り鳥や長距離遊泳する回遊魚などに多く含まれ、抗疲労効果を示す有用な物質で健康食品にもよく使われていますが、板かまぼこにとっては避けたいものです。マグロやカツオなどの回遊魚は泳ぎ続けるためのスタミナが必要であるため、酸素を蓄えるミオグロビンが多く魚肉が赤く見え、エネルギー源となるグリコーゲンも大量に含んでいます。このグリコーゲンが分解されると酸性物質が増えてpHが低下し、タンパク質が変性してしまうため、これも弾力が出にくい要因となります。新鮮な赤身魚を使ってpHをコントロールしながら作ればしっかりした弾力を出すこともできますが、コストや技術的に難しいところもあるため、赤身魚、白身魚のそれぞれの特徴を生かした使い分けが良いと考えられます。fishpro
モデレーター赤身魚と白身魚の違いは赤い色素タンパク質であるミオグロビンやヘモグロビン含量の差です(参考資料1,2)。魚肉(筋肉)は普通肉(普通筋)と血合肉(血合筋)に分けられており、これらの色素タンパク質が普通肉100 g中に10 mg以上含まれていれば赤身魚と定義されています。ミオグロビン含量が多く、魚肉が赤く見えるものを赤身魚、逆にミオグロビンが少なく、魚肉が白く見えるものを白身魚と呼んでおり、ミオグロビン含有量の違いはこのタンパク質の機能に由来しています。ミオグロビンは血液中のヘモグロビンが運んできた酸素を受け取って筋肉中で蓄える役割を担っており、酸素が大量に必要な魚種ほどその含有量が高く、代表的な赤身魚としては長時間遊泳する回遊魚であるマグロやカツオ、サバなどが挙げられます。 また、赤身魚に豊富な血合筋は人間でいうところの遅筋に相当し、いわゆるマラソンランナータイプの筋肉として知られています。ヒラメやタイなど普段はゆったりと動いているが、エサを捕獲する時や危険を回避する時にはパッと瞬発的に動く魚が白身魚には多く、有酸素運動よりも無酸素運動を得意としています。白身魚の魚肉中に占める割合が多い普通筋は人間だと速筋に相当する筋肉で短距離ランナータイプと言えます。 これらの筋肉の種類の違いは食感や味、栄養性の違いにも反映されますので、それぞれの特徴を知っておくとより美味しく魚を食べられると思います。
〈参考資料〉
1)魚食普及推進センター.赤身魚と白身魚の違い そして・・・青魚と赤魚とは??.
2) 水産学シリーズ.白身の魚と赤身の魚-肉の特性.社団法人日本水産学会編.恒星社厚生閣(1976).fishpro
モデレーター基本的には海水魚は水温の変化に応じてその生息域を変化させます。池や川などの閉鎖系に生息する魚は季節とともに大きく変化する水温に適応するため、運動に関わるタンパク質ミオシンの性質が変化する(温度馴化)ことが知られています(参考資料1)。それに対して海水魚は海水温に合わせて筋肉タンパク質を変化させることができないため、生息可能な環境を求めて移動していくと考えられています。よく「昔獲れていた魚が最近はめっきり獲れなくなった」という話を耳にすると思いますが、別の場所では「昔いなかった魚が最近獲れるようになった」という現象が起きているのではないでしょうか。
単純に考えると日本周辺では、地球温暖化による海水温上昇に伴い、南にいた魚が北へ移動すると予想されますが、実際には南へ移動した魚がいることも環境DNAを用いた研究から明らかにされています(参考資料2)。これは新たな魚の出現により居場所を失った魚が移動したためではないかと考察されています。
海水温以外にも藻場の減少や餌の状況、天敵の存在など複雑な要因が絡み合ってはいるため一概には言えませんが、以前と比べて多くの魚の生息域が変化してきたことは確かであり、今後も続くと予想されます。地域の名産とされていた魚がいなくなり、価格が高騰するという現象も多くみられるのではないでしょうか。魚に関わる仕事をしていく上では、より先読みが重要な時代になってきたと考えられます。〈参考資料〉
1)渡部終五. 魚類筋運動の温度馴化. 比較生理生化学 9.1 (1992): 12-21.
2) NHK.あの魚が食べられなくなるかも 温暖化で日本の海が激変!?.
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モデレーターそれぞれの特徴についてまとめてみます。刺身は調理いらずで簡単に食べることができ、DHAなどの高度不飽和脂肪酸もしっかり摂取出来ます。実は高度不飽和脂肪酸は非常に不安定であるため、過度な加熱調理により他の物質に変化してしまいその効力を発揮できなくなります。脂肪酸の健康機能性重視なら刺身がおすすめです。
焼き魚は水分が飛ぶため、うま味が濃縮されます。食中毒のリスクがないことも利点ではないでしょうか。あまり焼きすぎると有用な脂肪酸やビタミンが減少するため、適度な調理を心がけましょう。
煮魚の利点は肉が柔らかくなり食べやすくなることでしょうか。コラーゲン成分が煮汁に溶け出したり、ビタミンCが破壊されたりという特徴も知っておくと良いかもしれません。
照りは香ばしい美味しさを付加できることが一番の利点です。みりんに含まれる糖と魚肉のアミノ酸がメイラード反応を起こすことで香ばしさが生じます。 -
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