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お魚たんぱく健康だより もっと魚肉タンパク質を摂取してもらいたい

2022.10.28

和食と言えば「魚料理」とイメージするように、日本人はたくさんの魚を食べてきました。ですが、近年、残念ながら日本人の魚離れは続いています。ここではその原因について調べ、解決策についても考えてみたいと思います。

魚を食べなくなった理由

魚や魚肉タンパク質、ペプチドが、血圧上昇抑制作用や抗酸化作用、脂質代謝改善作用など様々な健康増進につながる効果を持つことが次々と明らかにされてきましたが、当然これらの健康機能性は何らかの形で体内へこれらの成分を摂取しないことにはその恩恵を受けられません。しかし、『魚は体に良い』という概念は一般的であるものの、残念ながらいわゆる魚離れには歯止めがかかっていません。魚を食べなくなった理由を下に示しました。様々な要因があるようですが、これらの要因を一つ一つ解決していくことが再び魚の恩恵を強く受け、健康寿命を延ばすことにつながるのではないでしょうか。

解決策

『生ゴミの処理等片付けが面倒だから』『料理の際の臭いや煙が気になるから』『鮮度が悪くなりやすく、保存しにくいから』は保存性の高い加工食品での解決が期待できます。刺身や切り身、お総菜など廃棄部位が少ない食品が求められ、さらには日持ちがより長いかまぼこやカニカマ、魚肉ソーセージなどの水産練り製品も需要にマッチすると考えられます。一方で、『調理が難しい・面倒だから』『家族(大人)が嫌いだから』『食べにくいと感じるようになったから』など魚を食べる文化自体の衰退が懸念される意見も挙がっています。親が魚を調理せず食べなくなれば、子供も魚を食べない生活のまま大人になり、永遠に魚食文化の復活は期待できません。親子両方の世代への食育がますます重要になってくるのではないでしょうか。
 最も難しい問題かつ魚を食べなくなった理由の大半を占めるのは『価格が高くなったと感じるから』です。現状のやり方の延長線上ではなかなか完全解決は難しく、画期的な技術開発が必要とされています。例えば、美味しさを維持したまま滅菌できる技術開発により、常温流通品を増加させフードロスを低減させたり、現在棄てられてる洋上投棄魚や加工残滓などから低コストで魚肉タンパク質を回収する技術の開発により原価コストを低下させたりすることで製品売価の抑制につながると考えられます。いずれにせよ一個人や一企業だけでは解決が難しい課題です。今後は企業連携や産官学連携の重要度がさらに増してくるのではないでしょうか。

<参考資料>
農林水産省『食料・農業及び水産業に関する意識・意向調査』(2016年12月-2017年1月実施)

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