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お魚たんぱく健康だより 水産物供給量の推移-1

2023.10.03

国際連合食糧農業機関(FAO:Food and Agriculture Organization of the United Nations)の情報を用いて、世界的な水産物供給量の推移を数値で表し、現在の日本の位置づけを確認しました。

FAOSTAT

FAOSTAT1)とはFAOが運営する食料・農林水産業関連のオンライン統計データベースで、水産関連の情報に限らず、客観的な世界の動向を確認する時に有用なサイトです。Web上にはいくつかのマニュアルも存在しており2,3)、初めて使う方はそちらをご覧いただくとスムーズな情報収集に役立つかと思います。

水産物供給量の推移

今回はFAOSTAT DataのFood Balancesから各国の水産物供給量の値を抽出しました。具体的には『Fish, Seafood +(Total)』と『Food Supply quantity (kg/capita/yr)』を選択し、すべての国と年代を選択してCSVファイルとしてデータを集める作業です。それらのデータを基にして、一人一年あたりの水産物供給量が多い国から順に並べました(表1)。

1980年以降の上位20ヶ国を並べましたが、周りを海に囲まれた国が比較的上位を占めています。人口の少ない国では漁獲量変動の影響が人口の多い国よりも見かけ上大きく反映されてしまう可能性もありますが、日本は人口も多いため水産物供給量の値はばらつきではなく現実的な減少傾向を示していると考えられます。残念ながら2000年までは4位だった日本も2020年現在では供給量も1980年対比で7割程度にまで減少し、順位も14位まで落ちてしまいました。今でも絶対量では上位を維持しているものの、このまま減少傾向が続くと魚食の良い影響も減っていってしまうのではないかという危機感を覚えてしまいます。急激に進む魚離れに対して研究会としても何が出来るのかを模索していきたいと思います。

<参考資料>

1)FAOSTAT.

https://www.fao.org/faostat/en/#home


2)総務省統計局.FAO FAOSTAT: Productionの使い方.
https://www.stat.go.jp/data/sekai/pdf/faostat.pdf


3)公益社団法人国際農林業協働協会.FAOSTAT利用マニュアル.   https://www.jaicaf.or.jp/fileadmin/_fileadmin_old_/user_upload/Statistics/faostat_manual_6.0.pdf

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