お魚たんぱく健康だより 旬のさかな「太刀魚(タチウオ)」
2023.09.04
太刀魚(タチウオ)はその名のとおり、太刀(たち)のように細長くて平べったい形をしており、体表はまるで金属のように美しい銀色に輝いています。英名ではhair tail(髪の毛のような尻尾の魚)と呼ばれ、細長い尻尾も特徴的です。また、普通に水平に泳ぐだけでなく、垂直に立って泳ぐ事から「立ち魚」という呼ばれる事もあります。
太刀魚には鱗がなく体の表面はグアニン質という銀粉の層で覆われており、鱗がありません。このグアニン質はかつてラメの材料にされたり、模造真珠の表面を覆う材料として使われていたそうです。
口は大きく、鳥のくちばしのような形状で下顎が上顎より突き出ています。顎に並ぶ歯は側扁し非常に鋭く、上顎の前部に4~5本の強大な牙があり、その先端は戻りが付いた鍵状となっていて、一度噛みついた獲物を逃さないようになっています。
水深350m以浅の大陸棚に生息し、成魚と幼魚では真逆の日周鉛直移動をします。幼魚は日中は海底から100mほど上の層を群泳し、夜間は海面近くまで上昇してオキアミやカイアシ類などの他、小魚などを食べています。一方、成魚は日中表層を泳ぎ回りイワシ類やニシン類などの魚を盛んに捕食し、夜間は海底に潜ってしまいます。
世界中の温帯から熱帯に分布しており、日本近海では北海道から沖縄まで各地に生息していて日本各地年間を通して獲れます。どの季節でも味が安定していてほとんど変わらないので、もはや旬はないといった感じですが、夏から秋にかけての期間は産卵期も重なり、脂ののった大きな個体が群れで行動するため漁獲しやすくなります。
太刀魚はあまりなじみのない魚かもしれませんが、白身魚らしいあっさりとした食べやすい味で、身はやわらかく皮も旨みがあってとても美味しいです。この時期、スーパーで見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。
おすすめレシピ
太刀魚のムニエル
【材料】(2人前)
- 太刀魚 (切り身1切れ40g) 4切れ
- 白ワイン 大さじ1
- 塩こしょう 少々
- 薄力粉 大さじ1
- オリーブオイル 大さじ1
- ミニトマト 4個
- シシトウ 4個
- レモン 1/2個
- 乾燥バジル 小さじ1
- 有塩バター 20g
【作り方】
- ミニトマトはヘタをとり、半分に切ります。
- レモンは飾り用に1切れ薄い輪切りにして銀杏切りにし、残りは果汁を絞って濾しておきます。
- 太刀魚に白ワイン、塩こしょうをふって5分置き、キッチンペーパーで水気を拭き取ったのち、薄力粉をまぶします。
- 中火で熱したフライパンにオリーブオイルをひき、3を入れて焼きます。焼き色が付いたら裏返して火が通るまで焼き、一度取り出します。
- 余分な油をキッチンペーパーで拭き取り、2の果汁、有塩バター、バジルを入れて中火で加熱します。
- 有塩バターが溶けたら中火のまま4を戻し入れ、ソースを回しかけ、火から下ろします。
- 同じフライパンで切ったミニトマトとシシトウを軽く炒めます。
- お皿に盛り付け、飾り用の2と7を添えて完成です。
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