お魚たんぱく健康だより 旬のさかな「鯵(アジ)」
2023.07.04
古くは縄文時代から食されていたとされる鯵。俳句の夏の季語にもなっており、昔から大衆魚として愛されてきました。
スズキ目アジ科の魚は世界で約30属、150種以上もいるといわれますが、一般的に鯵と言えば真鯵(マアジ)を指すことが多いです。真鯵は日本で水揚げされるアジ類の約90%を占めています。
小さな群れで行動する回遊性の魚で、沿岸から深場まで広く棲息しており、日本の全国各地の沿岸で見られます。
真鯵の標準体長は30cmほどですが、大物になると全長50cm程にもなります。体形はやや側扁し紡錘形で、背ビレは棘条(きょくじょう)の第一背ビレと軟条の第二背ビレに分かれています。側線は体側の上段から始まって第二背ビレの辺りで曲がり、尾柄までは体側中央を直走しています。
この側線はゼンゴと呼ばれる稜鱗が並び、真鯵は側線の始部から尾柄まで全体にわたって発達しているのが特徴です。特に後半の直走部は硬く盛り上がっています。
真鯵は体が細めで黒っぽい、回遊性のクロアジと、色が黄色っぽく、定着性のあるキアジと呼ばれるものがいます。
本来回遊性の魚なのですが、内湾に住み着いた物を「瀬付き鯵」や「根付き鯵」といい、脂が乗り体色が黄色味を帯びることから「金鯵」や「黄鯵」などとも呼ばれています。一方、外洋性の鯵は全体に黒っぽい色で、常に外洋を泳ぎ回っていることから、身が締まり全体にスリムで脂の乗りは比較的少なめです。
真鯵は年間を通して獲れ産地によって産卵時期も違うため一概にいつが旬とは言えませんが、一般的に晩秋から冬の間は漁獲量が減り、春から夏にかけて沢山出回るので、5月から8月が旬とされています。
この旬の時期に漁獲される鯵は、それほど身丈は大きくありませんが、脂の乗りが非常に良く、うま味がたっぷり詰まっているのが特徴です。
たくさん獲れる旬の時期は、値段も比較的安価で手に入りやすいので、ぜひ夕食のひと品に加えてみてはいかがでしょうか。
鯵のおすすめレシピ
鯵の南蛮漬け
【材料】(2人前)
- 鯵 (3枚おろし) 4枚
- 塩 少々
- こしょう 少々
- 片栗粉 大さじ1
- 揚げ油 適量
- 玉ねぎ 1/2個
- ピーマン 1個
- にんじん 1/4個
- 南蛮だれ
水 150cc
細粒だし 小さじ1
酢 大さじ3
醤油 大さじ2
みりん 35ml
砂糖 大さじ2
鷹の爪(輪切り) 適量
【作り方】
- 3枚おろしにした鯵は小骨を抜き、3cm幅のそぎ切りにする。両面に軽く塩をふり、約10分間おく。
- たまねぎは薄切りにする。ピーマンは縦半分に切ってヘタと種を取り、縦に細切りにする。にんじんもピーマンと長さを揃えて細切りにする。
- 鍋に南蛮たれの全ての材料をあわせ、ひと煮立ちしたら火からおろし、バットもしくは大きめのタッパーに入れる。
- フライパンでたまねぎ、ピーマン、にんじんをしんなりするまで炒め、熱いうちに3の南蛮たれにつける。
- 1の鯵の水けを紙タオルでふき取り、臭みをとる。両面にこしょうを少々をふり、片栗粉を薄くまぶす。
- 深めのフライパンにサラダ油を1.5cm高さくらいまで入れて、約170℃に温め、あじをカラリと揚げ焼きにする。
- 6を熱いうちに4に加え表面に貼り付けるようにラップをして、冷蔵庫に1時間以上おいて味を馴染ませる。
- 味が馴染んだら、お皿に盛り付けて完成!(冷蔵庫で2~3日保存ができます。)
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