お魚たんぱく健康だより 旬のさかな「鰆(サワラ)」
2023.04.18
魚へんに春と書く鰆(サワラ)は「春告魚」と言われ、俳句の季語にもなっていますが、日本近海で、真夏を除きほぼ1年中獲ることができます。体長40cmから1mに成長する大型の魚で、成長とともに名前が変わる出世魚として知られています。
関東では50cmくらいまでの大きさを「サゴシ」や「サゴチ」、50cmを超えると「鰆(サワラ)」と呼びます。
一方の関西では50cm前後は「サゴチ」や「ヤナギ/ナギ」、70cmを超えたサイズを「鰆(サワラ)」と呼んでおり、関東と関西では呼び方が異なります。
関西を中心とした海域では、5月〜6月頃、産卵のために瀬戸内海へと回遊して来ます。この時期の鰆は、さっぱりとした味わいで淡白、身は柔らかく、煮付けよりは味噌を使った西京焼きや竜田揚げで食べるととても美味しいです。関西では、真子(卵巣)や白子(精巣)も、一緒に食べられるのも特徴的です。
関東では12~2月の産卵期前の、もっとも脂がのった「寒鰆」が好んで食べられており、冬が鰆の旬とされています。この時期、産卵を控えた鰆は雑食になりサンマやイワシを餌にして栄養を豊富に蓄えるため、脂がのって濃厚な味わいになります。また、春の鰆よりもDHAやEPAなどの栄養素も冬のほうが豊富に含まれています。
これは、太平洋から瀬戸内にかけて回遊するものと、東シナ海から日本海を回遊するものの生息域が異なるため。同じ種類の鰆なのですが、関西では春、関東では秋から冬が“旬”とされている理由です。
また、鰆の身は白く、白身魚のようですが、サバ科の回遊魚でれっきとした赤身魚。小骨もなく、青魚特有の臭みもないため、魚が苦手な人にもおすすめの魚です。
鰆のおすすめレシピ
鰆の竜田揚げ
【材料】
- サワラ 2切れ
- 漬け込みだれ
醤油 大さじ2
酒 大さじ1
みりん 大さじ1
すりおろししょうが(市販) 小さじ1 - 片栗粉 適量
- レモン 1/8個
- 大葉 数枚
【作り方】
- ボールに漬け込みだれの材料全てをあわせておく。
- サワラの骨を抜き一口大に切る。
- 1のボールに2を入れて混ぜ合わせ、10分ほどおく。
- 漬け込んださわらの水分を拭き取り、片栗粉をまぶす。
- 170度の油で揚げる。(揚げすぎ注意)
- 器に盛りつけ、レモンと大葉を添えて完成
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