ホーム / 健康だより / 旬のさかな「鰹(カツオ)」

お魚たんぱく健康だより 旬のさかな「鰹(カツオ)」

2024.05.21

鰹は、古事記や日本書紀、万葉集にも登場するほど古くから食されてきた魚ですが、身質が柔らかく傷みやすい魚のため、生食されるようになったのは鎌倉時代以降で、それ以前は、堅くなるまで干してから食されていました。そこから「カタウオ(堅魚)」と呼ばれるようになり、それが略されて「カツオ(鰹)」と呼ばれるようになったそうです。

鰹は温帯から熱帯にかけて温暖な海域に広く分布しています。春に卵からふ化した稚魚が、餌を求めて北上しながら成長していきます。この北上している時に水揚げされる鰹が「初鰹」です。日本近海では、鰹が黒潮にのって北上するイメージでしたが、実は「黒潮ルート」「紀州沖ルート」「伊豆小笠原ルート」「東沖ルート」の4つがあります。その後、北上した鰹は秋には宮城県沖から北海道南部まで進み、黒潮と親潮がぶつかり水温が低下してくるのでUターンしてまた南下するという季節的な回遊をします。よって、一般的には4月5月にはじめのピークを迎える初鰹のシーズンと、9月10月頃に三陸沖で漁獲される戻り鰹のシーズンが旬と言われています。

初鰹は、まだ餌を十分に食べていない為、比較的小ぶりで脂ののりはほとんどなく、身が締まっていてさっぱりとした味わいです。赤身本来の風味や食感を存分に堪能することができます。
戻り鰹は、回遊しながら餌を十分に食べているので、身はまるまると太って脂がたっぷりとのっているのが特徴です。身がもっちりとしていて濃厚なおいしさを楽しむことができます。脂がのった腹身がまるでマグロのトロのようで、「トロ鰹」などの別名で呼ばれることもあります。

鰹は鮪などと同じように、常に泳いでいないと死んでしまいます。これは、他の魚のようにエラ蓋を動かすことができず、エラから空気を取り込めないためです。口を開けて泳ぐことによって、口から新鮮な水をエラに流し込み酸素を取り込んでいるのです。では、いつ寝てるの?と思われるかと思いますが、鰹は熟睡することはありません。半分寝ている状態で、ゆっくりと泳ぎ続けているそうです。

また、水揚げされた鰹にはお腹に黒い縦縞模様(魚は頭から尻尾に向かって入る縞を縦縞、背中からお腹にかけて入っている縞を横縞といいます。)が入っていますが、普通に泳いでいる時はほとんど無地の銀白色で、このような模様は入っていません。生きて餌を追いかけていたり、オスがメスを追いかけていたりと、興奮状態にあるときは横縞が出るそうです。模様が変わるなんて不思議ですね。

鰹のおすすめレシピ

 鰹のたたき

【材料】

  • 鰹 1柵(1/4尾)
  • 塩 適量
  • サラダ油 少々
  • 大葉 3枚
  • 小ねぎ 1束
  • たまねぎ 1/2個
  • ポン酢 適量
  • すりおろしニンニク 適量
  • すりおろし生姜 適量
  • レモン 1/4個

【作り方】

  1. 鰹に塩をふって、キッチンペーパーで余分な水分をとります。
  2. フライパンにサラダ油を入れ強火で熱し、鰹を皮目から全面焼き色がつく程度までさっと焼きます。
  3. 焼いた鰹を氷水につけ、粗熱が取れたら水気をキッチンペーパーで拭き取り、1cm幅に切ります。
  4. ボウルに、すりおろしニンニク、すりおろし生姜、ポン酢を入れ混ぜ、タレを作ります。
  5. たまねぎは薄切りして水にさらします。小ねぎは小口に切ります。
  6. 大葉とたまねぎを敷いた器に3を盛り付け、小ねぎを散らして、4のタレをかけレモンを添えて完成です。

ご入会について

世の中にお魚たんぱくの素晴らしさの理解を広げ、健やかな社会を実現するための情報プラットフォームです。魚肉普及と水産加工の発展に積極的に関わる意志ある法人・団体と個人、様々な方の入会をお待ちしております。是非ともこの研究会にご参加ください。