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お魚たんぱく健康だより 旬のさかな「蛍烏賊(ホタルイカ)」

2024.03.05

先日、3月1日に富山湾の蛍烏賊漁が解禁になったとのニュースがありました。そんな話を聞くと、春の訪れを感じますね。今回はこの蛍烏賊についてご紹介いたします。乱獲を防ぐために行政区域ごとに漁の解禁日が決まっており、早いところでは1月から解禁され、3月から5月にかけて全面解禁になります。

蛍烏賊はホタルイカモドキ科に属する烏賊です。大きさは、オスは5cm前後、メスは5~7cmと体は小さめです。日本海を中心に生息している蛍烏賊は、日中は沖合の水深200~600mあたり、夜は水深の浅い30~100mあたりに生息し、1年という短い期間で寿命を迎えます。

腕発光器、皮膚発光器、眼発光器など、身体にいくつもの発光器がついているのが特徴で、真っ暗な海の中で青白く発光する姿はとても美しく、まるで「蛍」のようだということで「蛍烏賊」と呼ばれるようになりました。蛍烏賊が発光する理由は、外敵に対する威嚇や幻惑、仲間とのコミュニケーション、餌寄せのためなどといわれていますが解明はされておりません。種類の多い蛍烏賊ですが、食用となっているのは1種類のみのようです。

蛍烏賊の産地というと、富山県のイメージが強い方もいるかもしれませんが、実は兵庫県の方が漁獲量は多いです。また、同じ蛍烏賊漁でも漁法が異なります。

兵庫県の蛍烏賊は富山県よりも時期が少し早い1月~5月頃が旬といわれています。旬の時期はありますが、兵庫県では漁の解禁時期を設けておらず、底引き網漁で一度に多くのホタルイカを漁獲するため一年中ホタルイカを味わうことができます。別名「浜ホタル」とも呼ばれ、富山県のものと比べ小ぶりですが、ぷりぷりの食感が特徴です。

一方、富山県では3月1日に蛍烏賊漁が解禁され、大量に水揚げされます。産卵のために富山湾内に入ってきた蛍烏賊を獲るため栄養を蓄えており大きく肉厚で、また漁場が近いので鮮度も抜群です。産卵の時期であることから、富山県の蛍烏賊はほとんどがメスになります。また、定置網で漁獲しているので、ホタルイカが傷つくことなく獲れるのも特徴です。

海岸近くまで数百万匹の蛍烏賊が押し寄せて、闇夜に光り輝く富山湾の海面は「ホタルイカ群遊海面」として国の特別天然記念物に指定されています。富山湾に数百万匹の蛍烏賊がやってくる理由は、海岸から急に深くなる独特の地形に由来します。蛍烏賊は日中水深200m前後の所に生息していますが、夜一斉に浮上して産卵をします。そして、未明の潮の満ち引きによって沖に戻れなくなることがあり、産卵後の蛍烏賊が海岸に打ち上げられ、一斉に発光するとても神秘的な光景を「蛍烏賊の身投げ」と呼んでいます。

蛍烏賊を美味しく食べることができるのも、幻想的な光景を見ることができるのもこの時期だけですので、ぜひ注目してみてください。

おすすめレシピ

 蛍烏賊の酢味噌和え

【材料】(2人前)

  • 蛍烏賊 50g(約8ぱい)
  • わかめ 20g
  • 大葉 1枚
  • 酢味噌

    酢 大さじ1と1/2
    白みそ 大さじ1
    砂糖 小さじ2~2と1/2
    練り辛子 小さじ1/3

【作り方】

  1. 蛍烏賊は熱湯に塩を入れ再沸騰後1分間茹でて、ざるに取り出します。すぐに冷水をくぐらせてから水切りし、目、口、軟骨を取り除きます。
  2. わかめは水でさっと洗い、水に5分ほど浸してもどします。熱湯でさっとゆで、ざるに上げて水気をきります。
  3. ボールに酢以外の酢みその材料を入れてよく混ぜ合わせ、酢と、水大さじ1/2を絶えず混ぜながら少しずつ加えて溶きのばします。
  4. 蛍烏賊、わかめ、大葉を器に盛り、食べる直前に酢みそをかけて完成です。

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