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お魚たんぱく健康だより 旬のさかな「鱈(タラ)」

2023.11.29

鱈は読んで字のごとく、日本では雪の降り始める頃から獲れて美味しくなる、雪のように白い身が特徴の魚です。
よく知られている鱈の種類には、「真鱈(マダラ)」と「介党鱈(スケトウダラ)」がありますが、一般的に鱈と言えば「真鱈」を指します。真鱈のほうが介党鱈よりも美味しいとされ、ちり鍋などには真鱈が用いられます。介党鱈の身肉は水分が多くて鮮度の低下が早いため、あまり鮮魚としては出回らず、かまぼこやちくわなどの練り製品の原料として使われています。鱈子は介党鱈の卵巣(卵)です。明太子はこの鱈子に唐辛子などで味付けをして作られています。

真鱈は大きいものだと1mを超える大型の海水魚です。大きな口と鋭い歯を持ちとても大食いで、詰め込んだ餌でお腹が膨らんでいてお腹の先から尾の付け根までは細くなっています。この様子から鱈のお腹のように膨らむ程食べることを「鱈腹食べる」と例えられるようになりました。頭と口は大きく、上あごが前に出ていて、下あごには太くて長いヒゲが1本付いています。 腹の部分は白く、そのほか側面から背にかけて斑模様が入っています。体表にこの斑模様があることによって「斑(まだら)」と呼ばれるようになったという説もあります。背びれが3つ、尻びれが2つに分かれているのもタラ科の魚の特徴です。

日本では山陰地方より北の日本海、茨城県より北の太平洋側で獲れます。主な産地は北海道で、日本の漁獲量の4割ほどを占めていおり、続いて多いのが宮城県や岩手県です。このように、鱈は一般的には寒い地域に生息しています。12月~3月頃が漁の最盛期となりますが、これは産卵期に向け、比較的浅場に上がってくるためであると言われています。この時期はオスの白子も発達しているため、大変人気です。鱈は切り身で購入すると手軽ですが、丸ごと1匹購入すると白子も楽しめるのでおすすめです。

また、寒い冬に旬を迎える鱈は鍋料理に登場することが多いと思いますが、鍋の中の大きな身を箸でつまみ上げようとして身が崩れてしまう事がありませんか?この身割れは、筋肉のブロックを包んでいる筋節という結合組織から起こります。鱈の身肉の結合組織に存在するタンパク質のコラーゲンとエラスチンの量を比べてみると、エラスチンが多いのが理由です。加熱するとコラーゲンはゼラチンに変わりますが、エラスチンはそのまま残ります。また、この二つ以外のタンパク質は加熱されると凝固し、身は縮んでしまいます。こうしてエラスチンに包まれた筋肉の各ブロック間には隙間が出来てしまい、身割れをおこしてしまうのです。脂肪分が少なく淡白な味で、冬の鍋料理には欠かせない鱈の特徴を理解し、美味しくいただきましょう!

おすすめレシピ

 鱈のホイル焼き

【材料】(2人前)

  • 鱈 (切り身) 2切れ
  • 玉ねぎ 30g
  • しめじ 30g
  • えのき 30g
  • 春菊 30g
  • にんじん 10g
  • 塩 適量
  • こしょう 適量
  • 料理酒 大さじ1
  • バター 20g
  • ポン酢 適量
  • レモン 適量

【作り方】

  1. 玉ねぎは5mm幅の薄切りに、しめじとえのきは石づきを切り落として手でほぐします。にんじんは皮をむいて5mm幅の薄切りにし、春菊は食べやすい長さに切ります。
  2. 鱈は両面に塩をまんべんなく振り15分おいた後、出てきた水気をキッチンペーパーで拭き取ります。
  3. 長さ30cmほどのアルミホイルの真ん中に玉ねぎを広げ、鱈を上にのせます。
  4. えのき、しめじ、にんじん,春菊をのせて、最後に料理酒とバターを上にのせます。
  5. きのこと鱈全体にもう一度塩をふり、こしょうを好みでふりかけます。
  6. アルミホイルは、盛り付けた真上で隙間ができないように合わせて織り込みます。
  7. 包んだホイルをフライパンに移して、蓋をして加熱します。はじめは中火で3分、続けて弱火で8分程加熱します。
  8. お皿に盛り付け、アルミホイルを開いたらお好みでレモンを搾ったり、ポン酢をかけて完成です。

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