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お魚たんぱく健康だより 小魚の摂取が全死因死亡およびがん死亡のリスクを低下させる可能性

2024.07.02

今回は小魚摂取によって全死因およびがん死亡リスクが低減される可能性があるというコホート研究の結果について紹介します。

背景

死亡リスクの低減など魚の摂取により健康に対する良い影響があることは数多くの研究で証明されてきた。しかし、小魚の摂取に焦点を当てた研究はほとんど見られなかったことから本研究が実施された1,2)

調査条件

調査対象 80,802人(男性:42.77%、女性:57.23%、平均年齢:54.7歳)

死亡者 2,482人

死因 がん:1,495人、心血管系疾患:340人、その他:647人


小魚摂取頻度 下記4グループに分けた

 ・ほとんど食べない

 ・1-3回/月

 ・1-2回/週

 ・3回以上/週

結果

小魚を1-3回/月、1-2回/週、3回以上/週食べる女性では全死因死亡リスクがほとんど食べないグループのものと比べて、それぞれ0.68、0.72、0.69倍で有意にリスクが低減された。一方で、男性では同様の傾向が認められるものの、統計的に有意な差は認められなかった(図1)。

図1.小魚摂取による全死因死亡リスクに対する影響.
ほとんど食べないグループに対するハザード比を示した(*p<0.05).参考資料1)Kasahara, C. et al. Public Health Nutrition, 27(1), e135 (2024). のデータを基にグラフを作成.


同様にがん死亡に対するリスクも、小魚を1-3回/月、1-2回/週、3回以上/週食べる女性ではほとんど食べないグループのものと比べて、それぞれ0.72、0.71、0.64倍に有意に低減された(図2)。

図2.小魚摂取によるがん死亡リスクに対する影響.
ほとんど食べないグループに対するハザード比を示した(*p<0.05).参考資料1)Kasahara, C. et al. Public Health Nutrition, 27(1), e135 (2024). のデータを基にグラフを作成.

カタクチイワシなどの小魚は丸ごと食べることも多く、カルシウムやビタミンA、ビタミンDなど有用な成分が含まれているため、これらの栄養素が腫瘍の発生やがんによる死亡リスク低減に役立っているのではないかと考察されています。

魚食による健康効果がまたひとつ裏付けられた研究結果ではないでしょうか。

<参考資料>

1) Kasahara, C. et al. Association between consumption of small fish and all-cause mortality among Japanese: the Japan Multi-Institutional Collaborative Cohort Study. Public Health Nutrition, 27(1), e135 (2024).

https://doi.org/10.1017/S1368980024000831


2) Leo Bear-McGuinness. Eating Small Fish May Prolong Life in Women. Technology Networks, Published: June 18, 2024.

https://www.technologynetworks.com/applied-sciences/news/eating-small-fish-may-prolong-life-in-women-387880

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