お魚たんぱく健康だより はんぺんは人の健康に役立つ機能性食品として有効である
2022.10.29
焼いても美味しい、おでんに入れても美味しい、そんなはんぺんの持つ健康機能性が明らかにされてきました。ここではその概要についてご紹介いたします。
概要
カニカマやかまぼこと並ぶ日本の伝統食品であるはんぺんの摂取により、総コレステロール、HDLコレステロールおよび乳酸脱水素酵素(LDH)が有意に低下することが明らかにされました。もともと高タンパク質、低脂質で知られるはんぺんの人の健康に対する機能性食品としての有用性が改めて証明されたと言えます。
下記に、簡単にまとめさせていただきました。
解説
カニカマやかまぼこと並ぶ日本の伝統食品であるはんぺんは、高タンパク質、低脂質な食品として知られています。今回の研究で実験用ラットの飼料の一部をはんぺんに置き換えて飼育した後の各種パラメーターの値を比較した結果、脂質代謝改善、肝機能低下防止、冠動脈心疾患予防効果などが認められました。
方法:飼料中のカゼイン、シスチンおよびコーンスターチの一部を乾燥はんぺんと置換(全体の5%)して、実験用ラットを84日間飼育
結果:通常飼料で飼育したラットと比べてはんぺん入りの飼料で飼育したラットの方が、
有意に低下したもの
- 総コレステロール
- 高密度リポタンパク質コレステロール(HDLコレステロール)
- 乳酸脱水素酵素(LDH)
低下傾向が認められたもの
- 低密度リポタンパク質コレステロール(LDLコレステロール)
- 中性脂肪(TG)
- 血漿アテローム発生指数(AIP)
- アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)
- アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)
- アルカリホスファターゼ(ALP)
【まとめ】
はんぺんの摂取により、
- いわゆる悪玉コレステロールであるLDLコレステロールが減って、善玉コレステロールであるHDLコレステロールが増えた結果、総コレステロールは増えたものの、TGも低下(脂質代謝改善効果)
- 肝機能障害の指標であるLDH、AST、ALT、ALPが低下(肝機能低下防止)
- TGおよびAIPが低下(冠動脈性心疾患予防)
<参考文献>
Kadokura, K., Tomita, T., Kobayashi, M., Mitsui, T., Suruga, K. Effect of fish paste products "Hanpen" intake in Sprague-Dawley rats. Food Science & Nutrition 8.6 (2020): 2773-2779.
https://doi.org/10.1002/fsn3.1569
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