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お魚たんぱく健康だより 旬のさかな「喉黒(ノドグロ) 」

2026.02.09

喉黒は、アカムツの別名で、日本海を中心に生息する高級魚です。富山湾や能登半島沖などで主に漁獲され、体色は鮮やかな赤色をしており、これが「赤い宝石」という呼び名の由来となっています。特徴的なのは、喉の部分が黒くなっていることで、これにより「ノドグロ」と呼ばれています。深海魚らしく目が比較的大きく、暗い海底での視覚に適応しています。体長は通常15~30cm程度で、コンパクトながら頭部は大きめです。

深海という高水圧の環境に対応するため、体全体が引き締まり、肉厚で密度の高い身をしています。この深海環境こそが、喉黒に豊富な脂質をもたらす要因の一つとなっています。深海での移動に必要なエネルギーを蓄えるため、脂を効率的に蓄積する進化を遂げたのです。

喉黒が高級魚である理由は、その希少性と漁獲の難しさに起因しています。深海200~500mの海底に生息するため、特殊な漁法と装備が必要であり、漁獲量は極めて限定されます。日本海の特定海域でのみ主に漁獲されるため、地理的な制限も大きく、流通量は非常に少なくなっています。

さらに鮮度が命である魚のため、流通から消費までのコストも高くつきます。産地から市場へ、そして消費者の食卓へ到達するまでに、迅速で丁寧な処理と輸送が必須となり、これらのコストが価格に反映されるのです。近年、グルメブームとSNSの浸透によって喉黒の人気が急速に高まったことで、需要が供給をはるかに上回り、価格上昇に拍車がかかっています。

白身でありながらトロのような脂の乗りを感じさせる喉黒は、調理法を選びません。塩焼きにすれば、皮の香ばしさと身のジューシーさが見事に調和します。刺身で食べれば、その上質な甘みが引き立ち、煮付けにすれば脂が出汁に溶け込んで深い味わいが生まれます。

先日、近畿大学が、喉黒の世界初となる完全養殖に成功したと発表しました。今後、家庭の食卓でも気軽に喉黒が食べられるようになるとうれしいですね。

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