お魚たんぱく健康だより 魚にまつわる慣用句
2026.05.27
魚(さかな)にまつわる慣用句は、私たちの日常生活に驚くほど溶け込んでいます。四方を海に囲まれ、古くから日常の糧として、また文化として魚と深く関わってきた日本だからこそ、その生態や調理法から生まれたユニークな表現がたくさんあります。
今回は、知っていると少し誇らしげに使える、魚にまつわる慣用句をいくつかのシチュエーションに分けてご紹介します。
人間関係や駆け引きで使う慣用句
逃した魚は大きい
意味: 手に入れ損ねたものや逃してしまったチャンスは、実際よりもはるかに価値がある立派なものに思えて、悔やまれること。
由来: 釣り人が「さっきバラした(逃した)魚は、今釣れたやつよりずっと大きかったんだ!」と悔しがる姿から。恋愛やビジネスの商談を逃したときによく使われますね。
雑魚(ざこ)の魚交じり
意味: 地位の低い者や実力のない者が、優れた人たちの中に一人だけぽつんと混ざっていること。また、その逆。
由来: 本来なら海や川で群れをなさない小さな魚(雑魚)たちが、大きな魚の群れに紛れ込んで一緒に泳いでいる様子から生まれました。
様子や「状態」を巧みにたとえた表現
水を得た魚(うお)
意味: 自分に合った環境や、得意な分野で、生き生きと活躍する様子。
由来: 陸に上げられて苦しんでいた魚が、水に戻った瞬間元気に泳ぎ回る姿から。環境選びの大切さを教えてくれる言葉です。
まな板の上の鯉(こい)
意味: 自分の運命を相手に握られ、なすがままになるより他に方法がない状態や、その覚悟を決めた心境。
由来: まな板に載せられた鯉は、包丁で捌かれるのを待つだけで、逃げたり抵抗したりすることはできません。また、鯉はまな板の上に置かれると、暴れずにじっと覚悟を決める(ように見える)
料理のプロセスから生まれた言葉
鯖(さば)を読む
意味:実際の数よりも多く(または少なく)言い繕って、自分に都合よく数をごまかすこと。
由来:鯖は傷みやすく、漁師や商人が急いで数えたため、実際の数と合わないことが多かったことから。
ごまめの歯ぎしり
意味:実力のない者が、いくら悔しがってもどうにもならないこと。
由来:「ごまめ」とはおせち料理にも入るカタクチイワシの幼魚(田作り)のこと。小さすぎて歯ぎしりしても怖くない、という意味です。
まだまだたくさんありますが、一部ご紹介させていただきました。このように「魚」にまつわる慣用句が数多くある理由は、日本人が古来より魚を「生き物」としてだけでなく、「食材」「市場の主役」として多角的観察してきたからでしょう。
魚の一生と人間の生活がどれほど密接だったかが、言葉のバリエーションの豊かさにそのまま表れています。
普段何気なく使っている言葉も、その背景にある「魚の姿」を想像してみると、より味わい深く感じられませんか?他にもたくさんあるので、ぜひ探して意識をして使ってみてください。
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