お魚たんぱく健康だより 旬のさかな「 鮟鱇(アンコウ) 」
2026.01.13

鮟鱇はアンコウ目アンコウ科に属する深海性の魚で、日本近海では冬の味覚として親しまれてきました。普段は海底で静かに身を潜め、大きな口で獲物を丸のみする生活をしています。見た目の印象は強いものの、古くから食用魚として利用され、寒い季節には鍋料理の主役として欠かせない存在です。
鮟鱇という名前の由来には諸説ありますが、大きく張り出した顎(あご)をもつ姿から「顎(あご)の魚」が転じたという説や、海底でじっと動かずに過ごす様子を「安居(あんこ)」にたとえたという説などが伝えられています。いずれも、その独特な姿や生態をよく表した呼び名と言えるでしょう。
鮟鱇の身は脂肪が少ない白身魚で、低カロリーながら良質なタンパク質を含んでいます。クセがなく、鍋や煮物にしても重たくなりにくいため、寒い季節でも無理なくタンパク質を補給できます。消化もしやすく、体調管理を意識した食事にも向いています。
一方、鮟鱇の肝は濃厚でコクのある味わいが特徴で、「海のフォアグラ」とも呼ばれています。ビタミンA・D・Eなどの脂溶性ビタミンを多く含み、白身のさっぱりしたタンパク質と組み合わせて摂れる点は、鮟鱇ならではの魅力です。
また、鮟鱇は骨以外のほとんどすべての部位を食べられる魚です。淡白な身、ゼラチン質が豊富な皮やヒレ、独特の食感をもつ胃袋やエラ、旨味のある卵巣、そして濃厚な肝と、「七つ道具」と呼ばれる部位それぞれにタンパク質やアミノ酸が含まれています。部位ごとの味わいと栄養を一度に楽しめる点も、鮟鱇の大きな特長です。
これらの部位を余すことなく味わえる鮟鱇鍋は、栄養面でも理にかなった料理です。各部位から溶け出した旨味とタンパク質がスープに広がり、野菜と合わせることで、冬にうれしいバランスの良い一品になります。
旬を迎える冬の鮟鱇は、味わいだけでなく栄養面でも季節に寄り添った存在です。体を温めながらタンパク質をしっかり摂ることができるので、冬の食卓を内側から支えてくれる魚と言えるでしょう。
鮟鱇のおすすめレシピ
鮟鱇鍋

【材料】2~3人分
- 鮟鱇(鍋用・下処理済み) 400〜500g
- 鮟鱇の肝 50〜80g
- 白菜 1/4株
- 長ねぎ 1〜2本
- 春菊 1/2束
- しいたけ 2〜3枚
- えのきだけ 1袋
- にんじん 1/2本
- 豆腐 1/2丁
- しらたき 1袋
- だし汁(昆布だし) 800ml
- 味噌 大さじ3〜4
- 酒 大さじ2
- みりん 大さじ1
- しょうが(薄切り)少々
【作り方】
- 鮟鱇は軽く水で洗い、キッチンペーパーで水気を拭きます。
- 肝が付いている場合は、血の部分があれば軽く取り除きます。
- 野菜と豆腐は食べやすい大きさに切ります。
- 鍋を中火にかけ、油をひかずに鮟鱇の肝を入れ、木べらで軽くつぶしながら炒ります。
- 酒を加えてアルコールを飛ばし、だし汁を少しずつ注ぎます。
- 味噌とみりんを溶き入れ、弱めの中火にします。
- 鮟鱇を入れ、アクが出たら軽く取ります。その後、豆腐やしらたき、白菜・きのこ・長ねぎなどの野菜を加えます。
- 具材に火が通ったら、最後に春菊を入れてひと煮立ちさせて完成です。
※鮟鱇は火を入れすぎないのがコツ。煮すぎると身が縮みます。
ご入会について
世の中にお魚たんぱくの素晴らしさの理解を広げ、健やかな社会を実現するための情報プラットフォームです。魚肉普及と水産加工の発展に積極的に関わる意志ある法人・団体と個人、様々な方の入会をお待ちしております。是非ともこの研究会にご参加ください。