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お魚たんぱく健康だより 焼き鮭を「茹でる」という選択肢

2026.09.21

「鮭の切り身=魚焼きグリルで焼くもの」だと思っていませんか?

「焼き鮭用の鮭は、焼くよりも茹でた方がおいしい」
以前、SNSでこのような投稿が話題になったのをご存知でしょうか。調理法ひとつで同じ食材の味わいが変わるというのは、とても興味深い話です。

実際にやってみる

普段の私は、SNSで流れてくる魅力的な調理動画を見つけては保存するものの、実際に作ってみることはなかなかありません。しかし、この「茹で鮭」というアイデアだけはずっと気になっていました。

鮭の切り身を茹でるなんて一体誰がやってみたのだろうか。水っぽくならず、本当においしく仕上がるのだろうか…。半信半疑で実際に挑戦してみることにしました。

用意するのは鍋もしくはフライパン

沸騰手前くらいのお湯にさっと鮭の切り身を入れ、料理酒も少しいれて、沸騰させずに数分待つのみ。

食べてみると、水分が逃げずに閉じ込められているため、パサつきが一切なく、「しっとり・ふっくら」とした食感でした。
そして「味」にも違いがありました。お湯に余分な塩分と生臭さが自然と溶け出すため、塩辛い鮭も角が取れてマイルドで上品な味わいに変わりました。「魚焼きグリルを洗う手間」からも解放されるという嬉しいおまけまでついてきます。そのまま食べましたが、ポン酢をかけてもおいしそうです。

魚×お湯の組み合わせの調理法は他にもいろいろ

魚とお湯の調理法、実はプロの料理の世界でも理にかなった技法として広く使われています。

たとえばフランス料理の「ポシェ(Pocher)」。沸騰させない低温(70〜80℃程度)の液体の中で、サーモンや白身魚を静かに泳がせるように火を通す伝統的な基本技法です。直火で急激に加熱すると水分が抜けてしまうため、あえて優しく茹でることで極上のしっとり感を生み出しています。

また、日本料理でも「霜降り・湯引き」や「酒蒸し」といった技法があります。熱湯で表面の臭みを取ったり、少量の酒と水で蒸し茹でにしたりすることで、魚本来の上品な旨味とふっくら感を最大限に引き出す方法です。私の実家では湯豆腐に鱈(タラ)をいれますが、あっさり・ふんわりして美味しいのも、まさにこの低温加熱の原理によるものかなと思います。

焼き・茹でどちらにもおいしさがある

茹で鮭において、個人的にひとつ残念に感じたポイントもありました。それは、私の大好物である「鮭の皮のパリパリ感」が味わえないことです。香ばしい皮が大好きな私としては、「たとえグリルを洗う手間が増えたとしても、やっぱり焼いた方が好きかもしれない」というのも正直な感想でした。

とはいえ、「ふっくらと柔らかい身が好き」「塩分を控えめにしたい」「生臭さを抑えてマイルドに食べたい」という方には、おすすめの調理法です。

スーパーで「○○用」として売られている商品を素直にそのままの調理法で利用してもいいし、少し工夫してみれば意外な調理法とマッチするかもしれない可能性があるのだなと気づきました。

それぞれの好みに合わせた方法で、お魚の命を一番おいしい形で味わいたいものです。

今晩の食卓の選択肢に、あえての「茹で鮭」、試してみてはいかがでしょうか。


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