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お魚たんぱく健康だより 「魚肉タンパク質の技術と市場」刊行

2026.01.12

魚肉タンパク質やペプチドの機能性およびその市場についてまとめられた書籍「魚肉タンパク質の技術と市場」が刊行されました1)。お魚たんぱく健康研究会コンソーシアムメンバーも著者に名を連ね、改めて世の中に魚タンパク質の優れた点を知ってもらう機会を得ました。1)のWebページをソースとしてGoogle NotebookLMを用いて内容をまとめたものを紹介します。興味のあるキーワードがいくつかあるのではないでしょうか。ぜひご参照ください。

概要

本書籍『魚肉タンパク質の技術と市場』は、健康と寿命への貢献が広く知られているにもかかわらず、日本国内で消費量が減少傾向にある魚介類の価値を再評価することを目的としている。科学的な知見と市場動向を統合的に分析し、魚肉タンパク質が持つ多面的な可能性を網羅的に解説する。

最重要の論点は、魚肉タンパク質が持つ卓越した健康機能性と、現代のライフスタイルや社会課題に対応する新たな応用可能性である。特に、スケソウダラ速筋タンパク質による筋肉増強作用、高齢者社会におけるオーラルフレイル予防、アスリートのパフォーマンス向上といった具体的な効果が科学的根拠と共に示されている。

また、消費拡大の障壁を乗り越えるための戦略として、「サバブーム」に代表される消費者トレンドの分析や、「さかなの日」の制定といった官民の取り組み、カマボコを「ウェルネスおやつ」として再定義するなどの革新的なアプローチが紹介されている。

市場の観点からは、植物性タンパク質や培養肉など多様なタンパク質源が競合するグローバル市場の中で、魚肉タンパク質が持つ独自の価値を明確化する。同時に、スマート水産業や陸上養殖といった技術革新が、持続可能な水産資源利用と安定供給を実現する鍵であることが論じられている。本書は、魚肉タンパク質に関する研究開発、食品加工、市場戦略に関わる全ての関係者にとって、不可欠な知見を提供するものである。

構成

本書は、魚肉タンパク質に関する最新の研究成果と普及活動をまとめた「研究と普及活動編」と、グローバルな市場動向と日本の水産業の未来を展望する「市場編」の二部構成となっている。四方を海に囲まれた日本古来の食文化である魚食の重要性を再認識させると同時に、その科学的価値と未来への可能性を体系的に提示する。

第1部: 研究と普及活動編 - 魚肉タンパク質の科学的価値と普及戦略

1. 魚肉タンパク質の多面的な健康機能性

魚肉タンパク質は、単なる栄養源にとどまらず、人々の健康維持と増進に寄与する多様な機能性を持つことが科学的に明らかにされている。

●基礎的な健康効果:

・血清コレステロール低下作用

・血圧低下作用(タンパク質分解物による)

・血液凝固抑制・血栓溶解作用

・抗糖尿病作用

・認知機能への影響

●筋肉増強とフレイル予防:

・スケソウダラの速筋由来タンパク質(APP)の摂取が、動物実験および健常高齢者において筋肉増加・筋肥大効果を持つことが示されている。

・この効果は、フレイルや要介護認定者への介入による筋肥大の可能性も示唆しており、健康寿命の延伸に貢献することが期待される。

●オーラルフレイル予防:

・超高齢者社会における課題であるオーラルフレイル(口腔機能の低下)に対し、魚肉タンパク質の抗酸化作用が寄与する可能性が指摘されている。

・唾液の抗酸化作用と関連付け、医科・歯科・栄養食糧連携の重要性が論じられている。

●栄養価の科学的評価:

・タンパク質の品質評価指標として、従来のアミノ酸スコアに加え、消化性を考慮した最新の指標であるPDCAAS(タンパク質消化率補正アミノ酸スコア)やDIAAS(消化性必須アミノ酸スコア)についても詳説。これにより、魚肉タンパク質の優れた栄養価がより正確に評価される。

2. アスリートの運動パフォーマンス向上

魚肉タンパク質およびそのペプチドは、アスリートのパフォーマンス向上にも有効であることが示されている。

●抗疲労効果: 魚肉タンパク質由来のジペプチドは、過重負荷強制水泳試験において抗疲労効果を示し、ヒトにおいてもその効果が確認されている。

●競技別パフォーマンスへの影響:

・長距離陸上競技選手: 魚タンパク質摂取がパフォーマンスに与える影響を検証。

・フットサル選手: 同様にパフォーマンスへの影響を調査。

・サッカー選手: 摂取タイミングがパフォーマンスに与える影響について分析。

3. 魚食消費拡大に向けた戦略的アプローチ

国内の魚介類消費減少という課題に対し、本書では多角的な普及戦略を提示している。

●官民連携による啓蒙活動:

・「さかなの日」の制定: 水産庁が主導し、消費者の意識変革と持続的な水産資源利用を促進する取り組み。

・フィッシュプロテインマーク: 魚肉タンパク質の価値を分かりやすく伝え、消費者の選択を促すための認証マークとレギュレーション。

●消費者トレンドの活用:「サバブーム」の分析

・消費者団体「全日本さば連合会」の活動(「鯖ナイト」「鯖サミット」)が起点となり、ブームが形成された過程を分析。

・サバ缶の生産量がツナ缶を超えるなど、美容・健康効果の訴求が女性層の心を掴んだ。

・サバの洋食化(サバサンド)、ブランドサバの誕生、サバ専門店の増加など、ブームが多方面に波及した現象を詳述。

●新たな食シーンの提案:「おやつとしてのカマボコ」

・「おやつ」の語源が健康維持にあることに着目し、カマボコを補食・間食として再評価。

・高タンパクで健康的な「ウェルネスおやつ」として、食育や予防医学の観点からその価値を提案。

・「KAMABOKO」「OYATSU」として世界へ発信する可能性も示唆している。

書籍内容イメージ図.
Google NotebookLMを用いてインフォグラフィックを作成.

第2部: 市場編 - グローバルなタンパク質市場と水産業の未来

1. グローバル市場における魚肉タンパク質のポジショニング

世界のタンパク質市場は多様化しており、魚肉タンパク質は他のタンパク質源との比較の中でその特性を理解する必要がある。

●世界のタンパク質市場動向:

・由来別: 動物性(畜肉、卵、乳)、植物性(大豆、エンドウ豆)、昆虫、微生物、合成・培養タンパク質など、多様な供給源が存在。

・用途別: 食品・飲料、動物飼料、サプリメント、化粧品など、幅広い分野で需要がある。

●フードテックと代替タンパク質:

・植物性肉、培養肉、昆虫食などの代替タンパク質技術が急速に進展。

・スマート農業や食品加工・流通技術も進化しており、市場環境は大きく変化している。

●魚肉タンパク質市場:

・世界市場および国内市場における需要動向、製品・企業動向を分析。

・魚粉やその他の魚タンパク質加工物が主要な原料として流通している。

2. 日本の水産業を支える技術革新

持続可能な水産業を実現するため、日本では最先端技術の導入が進められている。

●スマート水産業:

・DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用し、漁業や養殖業の効率化、資源管理の高度化を目指す動き。

●陸上養殖事業:

・天候や海洋環境に左右されず、計画的な生産が可能な陸上養殖の市場が拡大。

・NTT、荏原製作所、ヤンマーなど、異業種からの参入も活発化している。

●次世代養殖技術:

・アクアポニックス: 魚の養殖と水耕栽培を組み合わせた循環型農業システム。

・耕作放棄地を活用した養殖システムなど、新たなビジネスモデルも登場。

●次世代の水産物流通:

・「魚活ボックス」のような鮮度を維持する長距離輸送技術や、DXを活用した流通改革により、生産者と消費者を効率的につなぐ試みが進んでいる。

1)シーエムシー出版HP.

https://www.cmcbooks.co.jp/products/detail.php?product_id=116057

ご入会について

世の中にお魚たんぱくの素晴らしさの理解を広げ、健やかな社会を実現するための情報プラットフォームです。魚肉普及と水産加工の発展に積極的に関わる意志ある法人・団体と個人、様々な方の入会をお待ちしております。是非ともこの研究会にご参加ください。