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9月のWEBセミナー「アフリカの牧童が切り拓いた感染症研究の道:抗菌ペプチドに賭けた情熱」

開催日時
2025年9月30日(火) 17:00-18:00
申込み締切
2025年9月22日(月)
会場
WEBセミナー(Zoom IDは、講義の数日前に配信いたします)
参加費
無料
時間プログラム(予定)
17:00

演題:「アフリカの牧童が切り拓いた感染症研究の道:抗菌ペプチドに賭けた情熱」
講師:ニヨンサバ フランソワ1), 2) 先生
1) 順天堂大学大学院医学研究科アトピー疾患研究センター
2) 順天堂大学国際教養学部

私はアフリカの農村地域で生まれ、アフリカのほとんどの子どもたちと同様に、学校に行く前には水を汲み、放課後には家畜の世話をしながら育った。このような環境においては、多くの人々が感染症、特に寄生虫疾患に罹患しているのが現状である。高校卒業後、国費留学生として医学を学ぶ機会を得たことを契機に、感染症との闘いに人生を捧げることを決意した。 私は順天堂大学において27年間にわたり、抗菌ペプチドの研究に従事してきた。抗菌ペプチドとは、微生物感染に対する防御作用を有する低分子であり、細菌や植物、魚類からヒトを含む哺乳類に至るまで、広範な生物種に存在する物質である。これらのペプチドは単なる抗菌作用にとどまらず、免疫系の調節にも重要な役割を果たしている。 抗菌ペプチドの中でも、ディフェンシンやカテリシジンといった分子が注目されており、炎症や皮膚バリア機能異常を特徴とするアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の病態に関与している。我々はこれまでに、抗菌ペプチドが殺菌作用に加えて、皮膚に存在する種々の細胞を活性化することにより、細胞分化・増殖・遊走、サイトカインの産生、血管新生などの広範な免疫調節作用を有することを明らかにしてきた。 近年の研究においては、抗菌ペプチドが皮膚のバリア機能の調節、掻痒の抑制、およびオートファジーの活性化に関与することを報告した。特に、皮膚由来の抗菌ペプチドがオートファジーを活性化することによって、アトピー性皮膚炎の症状を軽減し得ることを示した。抗菌ペプチドは多様な疾患の病態に関与しており、従来の抗菌薬に代わる新たな治療手段としての応用が期待されている。 私の最終的な目標は、抗菌ペプチドを革新的な抗感染症治療薬として開発し、これを通じて開発途上国における感染症の負担軽減に貢献することである。

開催予定概要

開催日時講師演題
2025年9月30日(火)17:00-18:00ニヨンサバ フランソワ1), 2)
1) 順天堂大学大学院医学研究科アトピー疾患研究センター
2) 順天堂大学国際教養学部
「アフリカの牧童が切り拓いた感染症研究の道:抗菌ペプチドに賭けた情熱